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景観建築学科 授業紹介

演習科目/学部1年生から始まる充実の専門教育

1年生の後期からは設計演習です。設計の根幹である空間の概念、自然観と空間構成を理解します。

  • 課題1:東屋と花と樹木の小公園

    「設計基礎演習」学部1年生後期

    「空間の基礎的な概念の理解」をテーマに、小規模建築と小庭園を一体的に設計する課題に取り組みます。景観設計に適した植物の種類も学習。また、課題と連携した[測量学実習]では、課題敷地の測量、敷地図の作成や地形の解析などにも挑戦します。

  • 課題2:仏教寺院と借景・眺望の庭

    「設計基礎演習」学部1年生後期

    「日本の自然観と伝統的空間構成」をテーマに、仏教寺院の庫裏または方丈と借景庭園を一体的に設計。日本の伝統的な木構造や借景、材料に加え、自然を象徴的に縮小し建築空間に導入して楽しむ伝統的石組「咫尺千里(しせきせんり)」や縮景の理念などを学びます。また、CADを活用し、設計した建築と庭園の3Dモデル作成、写真測量データ取り込み、透視図作成などにも挑戦。課題に適した植物の種類や敷地周辺の植生についても理解を深めます。

  • 2年生になると、景観と建築を一体的に設計する課題に挑戦。自然と共生する住環境を創生する基礎力を培います。

    • 課題1:日本庭園のある戸建て住宅

      「景観建築設計演習Ⅰ」学部2年生前期

      日本の住宅建築と庭園の歴史・特徴を理解したうえで、木造の小住宅と庭園を一体的に設計する課題に挑戦。また、[景観映像情報演習]と連携して、CADやCGソフトを応用したリアルな透視図の作成や、GIS(地理情報システム)を用いた基礎的な地形分析にも取り組みます。

    • 課題2:傾斜地に建つ小ホテルと花のある西洋式庭園

      「景観建築設計演習Ⅰ」学部2年生前期

      「雄大な自然の眺望と融合する景観」をテーマに、斜面地に建つ鉄筋コンクリート造の小ホテルと西洋式庭園を一体的に設計。西洋式庭園の歴史に加え、建築と前庭、遠景の眺望との関係などについて理解を深めます。GISを用いて植生分布や地形を分析し、設計に活用。さらに、課題敷地の斜面地形を測量し、敷地図や地形の3Dモデルを作成します。

    • 課題1:渓流沿いの和風旅館

      「景観建築設計演習Ⅱ」学部2年生後期

      渓流沿いの景観とそこに調和する和風旅館を一体的に設計し、日本的な山水風景の特徴や内外空間を有機的につなぐ構成について学びます。さらに、GISを用いて、渓流を中心とした課題敷地周辺の地形と流域を分析し、山の地形と水の流れを理解。山林や川を整備して、洪水や土砂崩れなどの水害を予防する「治山治水」についても理解を深めます。

    • 課題2:中庭のある集合住宅とコミュニティガーデン

      「景観建築設計演習Ⅱ」学部2年後期

      中層集合住宅と、住民間の交流を促す中庭、集合住宅に隣接する公園を一体的に設計する課題に取り組みます。この課題から、住まいとコミュニティ、通風と日照、屋上・壁面の緑化、ベランダや中庭での園芸などについて多角的に学習。さらに、CADを用いて設計案のウォークスルー動画を作成し、景観シミュレーションも行います。

    • 3年生になると、田園風景や理想的な自然景観を理解し、4つの課題に取り組みます。

      • 課題1:稲作のための水景と集落 理想の自然景観

        「景観建築設計演習Ⅲ」学部3年生前期

        日本の伝統的な農村風景は、農業のための田畑や水系を通して形成されています。その特徴や水系の形態、植生などを理解し、水路やため池を中心とした現代の集落と街並み、街路、公園などを一体的に設計。GISを活用して、ため池を中心とした土地利用の変遷や水系などの分析にも取り組みます。

      • 課題2:山と海を取り込む庭園美術館

        「景観建築設計演習Ⅲ」学部3年生前期

        海や山を望む広々とした庭園に、彫刻などを屋外展示する小美術館を設計します。理想の自然景観を探求するとともに、展示・動線の計画手法や、彫刻、広場、樹林、散策路と建物、そして周辺景観を融合させた総合的な景観の設計力を養成。CADを活用して、起伏のある複雑な地形の3Dモデリングを用いた景観シミュレーションにも取り組みます。

      • 課題1:シンボルのある街路・街並み・公園

        「景観建築設計演習Ⅳ」学部3年生後期

        象徴的で、人や自然にやさしい都市景観を創生する課題に挑戦します。街路計画の基本的な考え方、街のシンボルと街路の関係、交通計画の基礎、地域の生態系などを理解したうえで、街路、街並み、小公園を一体的に設計。GISを用いて対象地域の地表面の状態を表す土地被覆の状況などを分析し、設計に役立てます。

      • 課題2:人にやさしい海岸と海に面した街並み

        「景観建築設計演習Ⅳ」学部3年生後期

        人にやさしい海岸について、季節の変化や潮の満ち引き、海辺の植生などに加え、防災面からも考慮します。そして、海岸とその海岸沿いに歩いて楽しい街並みを一体的に設計。GISによる土地利用や緑被の分布状況の分析、高度な測量技術やVR(仮想現実)技術を駆使した景観シミュレーションを行い、デザインの検討やプレゼンテーションに役立てます。

      • 4年生前期は、人と自然にやさしい都市を追究。後期は卒業研究で、建築と景観の理想像を創造します。

        • 課題1:都市のイメージに基づいたわかりやすい街と水と緑のマスタープラン

          「景観建築設計演習Ⅴ」学部4年生前期

          人の空間認知特性を理解したうえで、わかりやすく安全かつ地域性や風土に配慮した街並み、水、緑のマスタープランを作成します。GISを活用して、都市構造を解析・理解。さらに、イメージマップでの調査などから、都市のイメージと地形・山・川・海との関わりなどを探求し、その都市の生態系や植生についても学びます。

        • 課題2:流域の防災を考慮した緑地や公園と住居地域

          「景観建築設計演習Ⅴ」学部4年生前期

          河川流域の土地利用や緑被の分布状況、そして雨水の利用や循環を考慮し、安全で美しい川沿い地域の住居、緑地、公園を計画・設計します。ジョギング、イベントなどに活用される河川敷や、両岸の街並みのデザインを提案。GISを用いた水害システムのシミュレーション作成や、建物の高さ・形態・色彩などの制限による景観コントロールの論理についても学びます。