メッセージ
【景観建築学科】トップランナーからのメッセージ
景観建築の公共性と時代を超えるメッセージ
日本の公園には都市公園と自然公園の2種類があり、それぞれ法律で定められています。身近な都市公園には、昔は児童公園と呼ばれた「街区公園」があります。幼少期にブランコやすべり台、砂場などで遊んだことがある人も多いでしょう。自然公園としては国立公園や国定公園などがあります。自然が豊かで風光明媚な景観を持つ地域が指定され、貴重な自然を保護するとともに、美しい自然景観を誰もが楽しめるように広く公開されます。
私は大阪府の公園緑地行政の仕事を通して、数多くの公園や緑地の計画・設計・維持管理に携わってきました。これら公園緑地は、完成後、数十年以上経過した今でも、多くの市民に愛されています。近年は公園のマネジメント(経営的手法)という考え方が導入され、公園の中にお洒落なカフェが設置されるような事例も生まれ、都市公園の魅力がさらに増加しています。
昭和20年代につくられた、大阪を代表する服部緑地公園は、私が仕事で力を注いだ公園の一つでもあり、現在も花とみどり豊かな総合公園として、多くの人々を魅了しています。景観建築設計においては、これら公園を代表とする公共空間も重要な対象領域です。
自然に触れ、憩い、リフレッシュし、生活を楽しむことができる公共空間を創る思想・計画・設計技術。私たちは景観建築設計の専門技能を使いこなすことにより、数10年、さらに100年以上の未来にメッセージを届けようとしています。
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大槻 憲章
(株)公園マネジメント研究所技術顧問, 元大阪府(公園緑地行政)